処理時間を約6割削減

昭和パックス株式会社/業種:包装資材製造業

処理時間を約6割削減

 昭和パックス株式会社は、物流用紙袋や農業用ハウスフィルムなど、幅広い包装資材を手がける企業です。同社では、顧客ごとに形式が異なるFAXや紙帳票を人の手で確認し、複雑な仕様をシステムに入力する受発注業務が属人化していました。とくに繁忙期は、入力ミスの発生や一部担当者への業務集中が大きな課題になっていたそうです。
 そこで導入したのが、『受発注バスターズ』でした。これまでの複雑な業務内容をシンプルな運用に整備したことで、処理時間は約6割削減。入力ミスも大きく減り、人員が限られる繁忙期でも安定して対応できる体制が整いました。
 今回は、その導入背景と成果について、昭和パックス株式会社 業務室長の小関崇夫様に伺いました。


<導入前の課題>

  • 多様な帳票と複雑な商品仕様の手入力に時間がかかっていた  
  • 担当者依存の属人化で、入力ミスや納品先の取り違えが発生していた  
  • 農業用フィルムの注文が特定時期に集中し、繁忙期の負荷が大きかった 

<導入後の効果>

  • 既存ツールと連携し、事務スタッフの負担を最小限に抑え、処理時間を約6割削減した  
  • AIの高精度な読み取りで属人的な判断を減らし、ヒューマンエラーを大幅に減らした  
  • 業務効率化により、人員減の状況でも繁忙期の業務を滞りなく乗り切った 

複雑な仕様と手入力による属人化。繁忙期に集中する業務負荷と入力ミス

──『受発注バスターズ』を導入される前、御社の受発注業務では、どのような課題があったのでしょうか?

小関様:もっとも大きな課題は、形式が異なるFAXや紙の帳票を人の手で読み取り、システムに入力していたことによる工数の多さと業務の属人化でした。
 当社が扱う包装資材、とくに農業用ハウスフィルムは、寸法や厚みの組み合わせが非常に複雑です。加えて、お客さまごとに商品名の呼び方も異なります。
 たとえば、幅は50センチ刻み、長さは1メートル刻み、厚みは5種類あり、注文のたびに担当者が内容を確認したうえで10〜20項目を入力しなければなりません。
 こうした特殊な仕様があるため、正確に処理できる担当者が限られ、業務は特定の人に集中していました。

──業務が属人化していたことで、現場にはどのような影響や問題が発生していたのでしょうか?

小関様:一番大きかったのは、入力ミスが起こりやすいことと、繁忙期に特定の担当者へ負担が集中していたことです。農業用フィルムは季節によって需要が大きく変わり、お盆明けから冬にかけて注文が集中します。そのなかで大量の入力作業を続けると、納品先を取り違えたり、0.1ミリを0.15ミリと誤入力したりするミスが起こりやすくなります。
 商品コードの確認も、担当者が1件ずつ調べる必要があり、処理にはかなりの時間がかかっていました。結果として、業務の中身は周囲から見えにくくなり、他部署では簡単に支援できない状態に。現場の負荷は、どうしても一部の担当者へ偏っていました。

──そうした状況に対し、導入前は社内でどのような対策を講じてこられたのでしょうか?

小関様:社内システムの入れ替えにあわせて、Excelを使った半自動の仕組みを作り、検索の手間を減らす取り組みを進めていました。入力工数を少しでも抑え、あわせて正確性も高めたかったからです。
 製品名や幅、厚みをExcelに入力すると商品コードを呼び出せるようにしたのですが、それでも「製品名」や「お客さま独自の規格」は人が読み取り、手で入力する必要がありました。
 住所についても、丁目や番地の表記の違い、特殊な地名などは人の判断に頼らざるを得ません。一定の改善効果はあったものの、業務の複雑さそのものを解消するには至らず、より本質的な解決策を探していました。


アナログな要望にも寄り添う支援体制。自社開発に頼らない並走力が導入の決め手に

──『受発注バスターズ』を知ったきっかけをお教えください。

小関様:直接のきっかけは、別の担当者が展示会で『受発注バスターズ』のチラシを受け取り、社内に持ち帰ったことでした。
 私自身、情報システムのプロジェクトリーダーとしてERPソフトの切り替えを担当した経験があります。その中で、農業用フィルムの受発注業務がブラックボックス化している状況に、強い課題感を持っていました。課題解決に着手するなら、もっとも時間がかかり、業務も複雑な部門から手を打たなければ、根本的な解決にはつながりません。
 社内でもさまざまな方法を検討し、一からシステムを構築するべきか悩んでいたタイミングで、『受発注バスターズ』の存在を知りました。

──導入にあたり、他社サービスとの比較検討は行われたのでしょうか?

小関様:はい。大手企業2社、ベンチャー企業2社の計4社を比較検討しました。大手企業のサービスは初期費用が高く、小さく試しながら始める進め方が取りにくかった印象です。上層部の決裁を得るうえでも、コストは大きなハードルでした。
 一方、ベンチャー企業のサービスは、一から仕組みをつくり上げる必要があり、運用開始までに時間がかかる懸念がありました。加えて、システム開発では「完成してみたら想定と違う」ということも起こりがちです。
 そうしたリスクも踏まえ、当社の要件により合うサービスを慎重に探していました。

──比較検討を進める中で、最終的に『受発注バスターズ』を選んだ決め手は何だったのでしょうか?

小関様:決め手は、当社の複雑なマスター構成をしっかり理解したうえで、アナログな要望にも柔軟に応えてくれる支援体制でした。他社では、当社の業務の考え方や、「このマスターデータをこう拾って出力したい」という意図がなかなか伝わらず、意思疎通の難しさを感じる場面がありました。
 その点、『受発注バスターズ』は、システム会社に見られがちな入力と出力だけを定義するような対応ではありませんでした。当社特有の要件に寄り添い、実務に沿った形で整理してくれたのです。
 自社で開発の手間をかけることなく、要望を的確に設定へ反映してくれる。その並走姿勢に大きな魅力を感じました。


現場に無理なく定着。処理時間を約6割削減し、人員不足の繁忙期も乗り切る

──導入後、現場の事務スタッフへはどのようにシステムの利用を浸透させていったのでしょうか。

小関様:ITに不慣れな担当者でも迷わず使えるよう、既存のツールを活かした「コピー&ペーストだけ」の運用フローを整えました。
 『受発注バスターズ』から出力されたExcelデータを、社内で以前から使っていたマスター検索用のマクロ付きExcelにそのまま貼り付ける仕組みにしたのです。新たに操作を覚える必要はなく、「ここにデータを貼るだけ」と伝えれば十分でした。
 その結果、現場への教育負担を抑えながら、無理なく新しい業務フローを定着させることができました。

──新たな運用フローが定着したことで、業務の処理時間にはどのような変化があらわれたのでしょうか?
小関様:社内で効果測定を行ったところ、受発注業務にかかる時間は約6割削減され、想定を上回る成果につながりました。
 時間にすると、1件あたり7分以上かかっていた処理が2分台で完了するようになっています。また、手入力がほぼなくなったことで、製品名のあいだに余計な文字を入れてしまうミスや、納品先の取り違え、0.1ミリを0.15ミリと入力してしまう厚みの誤りも大幅に減りました。
 時間短縮にとどまらず、業務品質の向上にも大きく役立っていると感じます。

──処理時間が大幅に短縮されたことは、繁忙期の業務体制にどのような影響を与えましたか?

小関様:人員不足で業務が滞りかねない繁忙期を、無事に乗り切る大きな支えになりました。
 農業用フィルムは8月以降に注文が集中するのですが、その直前の7月に担当者1名が休職するという想定外の出来事がありました。実質的に人員が減った厳しい状況で繁忙期を迎えたものの、『受発注バスターズ』による自動化があったおかげで、残されたメンバーだけで業務を回すことができたのです。さらに、担当者が1名しかいない本社以外の他の事業所でも、業務負担の軽減が残業削減につながりました。
 工数削減の効果が、持続可能な業務体制の維持をしっかり支えてくれたと思います。

──懸念されていた特殊な製品の読み取り精度や、マスターデータとの連携はいかがでしたか?

小関様:読み取り精度は非常に高く、当社の複雑なマスター構成ともしっかり連携できています。
 当初は、お客様によって「本」や「巻き」など単位の表記が異なったり、同じ製品でも別の言い回しで発注されたりする点を懸念していました。ただ、そうした現場特有の要望を的確に設定へ反映してもらえたことで、表記揺れがあっても商品マスターを正確に拾い、正しいデータを一度で出力できるようになりました。
 AI-OCRの読み取り精度と柔軟なカスタマイズ性によって、アナログな発注書でも正確なデータ化が実現できたと高く評価しています。


完璧を求めすぎずAIを信頼する運用と、DX推進に欠かせない「強い意志」

──導入後、システムを利用している事務スタッフの方々からはどのような声が寄せられていますか?

小関様:「業務がかなり楽になった」という声が多く、現場のモチベーション向上にもつながっています。
 実際にシステムの効果を体感したことで、「他の取引先の帳票も自動化したい」といった前向きな要望も次々と出てきました。現場で手応えを得られたからこそ、さらに業務効率化を進めたいという意識が高まっているのだと思います。

──同じような課題を抱えながら、『受発注バスターズ』の導入を迷っている企業へメッセージをお願いします。

小関様:「自社の業務は特殊だから、AI-OCRでは対応できない」と決めつけず、まずは小さく始めてみることが大切です。一部の例外的な業務を理由に、全体のDX推進が止まってしまう企業は少なくありません。とはいえ、複雑に見える業務でも、大半はAIで十分に処理できるケースが多いものです。
 また、決裁権を持つ上層部を動かすには、導入担当者自身の強い意志も欠かせません。「必ず成功させる」という姿勢で進めることで、社内の理解も得やすくなります。
 費用対効果のように見えやすい価値だけでなく、ミスの削減や属人化の解消といった本質的な効果にも目を向け、まずは一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

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