株式会社ミツウロコグループホールディングスの中核として、バックオフィス業務を集約する株式会社ミツウロコクリエイティブソリューションズ。同社はRPA導入などDX化を推進してきましたが、取引先からFAXで届く受発注業務だけは、長年マンパワーに頼らざるを得ない状況でした。手入力による膨大な工数と、人的ミスによる手戻り、そして業務の属人化。これらの課題を解決すべく導入したのが、受発注やデータ入力に特化したAI-OCR『受発注バスターズ』です。導入後、FAX受注の約半数を自動化し、入力ミスもほぼゼロになるという成果が出ています。劇的な業務改善を実現したミツウロコ事務センターの皆様に、導入の背景から具体的な効果まで詳しくお話を伺いました。
<導入前の課題>
- FAX発注書の目視・手入力に多大な工数がかかり、担当者の負担が大きい
- 書式の異なる発注書の読み解きが属人化し、特定の担当者に業務が集中
- 人的な転記ミスが後工程での手戻りやトラブルの原因に
<導入後の効果>
- FAX受注業務の約50%を自動化し、入力工数を大幅に削減
- 受発注バスターズが読み解きを補助することで業務が標準化され、分業体制を確立
- ダブルチェック体制の構築で入力ミスがほぼゼロになり、業務品質が向上
- 下山田 朗さま:ミツウロコ事務センター 受発注業務部長 兼 長野オフィス長
- 三上 夕子さま:ミツウロコ事務センター 受発注業務部 次長(ガス・検針担当)兼 事業統括部 SmartOWL担当
- 小林 康子さま:ミツウロコ事務センター 受発注業務部 検針チーム担当課長
- 佐藤 亜衣子さま:ミツウロコ事務センター 受発注業務部 受発注チーム担当課長
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DX推進を阻む最後の砦。残り6%のアナログ業務がもたらす非効率
──『受発注バスターズ』を導入される前の課題についてお聞かせください。
下山田さま:当社では以前から、RPAを活用した入力業務の自動化やペーパーレス化を進め、全登録データのうち94%を自動化していました。しかし、残りの6%がどうしても人手に頼らざるを得ない領域として残っていたのです。
この6%の多くを占めていたのが、販売店様からFAXで届く発注書でした。ペーパーレス化を進めても、最終的にはPDFデータを目視で確認し、基幹システムへ転記する必要がありました。この部分が自動化の大きな壁となっていたのです。
──人の手に頼ることで、どのような問題が発生していたのでしょうか?
下山田さま:大きく3点あります。
1つ目は、発注書の書式が販売店様によって様々で、経験のある担当者でないと内容を正確に読み取れないことです。そのため業務が属人化していました。
2つ目は、転記ミスの発生です。特に冬場はエネルギー関連商材の発注が集中し、業務量が急増します。担当者の負担が増えることでミスも起こりやすくなり、修正対応にさらに時間を取られる悪循環に陥っていました。
3つ目は、リソースの制約です。チェック体制を強化したくても、人員を増やすのは難しい状況でした。限られた人員で、いかに入力時間を短縮し、チェック作業に時間を割けるかが課題でした。
──当時の業務フローでは、1件あたりの処理時間はどれくらいでしたか?
佐藤さま:内容によって差はありますが、簡単なものでも2〜3分はかかっていました。中には「給湯器16号、追い焚き」といった簡易的な記載しかない発注書もあり、その場合は型番を調べるところから始まります。メーカーへの問い合わせが必要なケースでは、1件あたりの処理時間が5〜10分かかることもありました。
下山田さま:弊社のフローでは、午前9時の始業から12時の出荷締切までの3時間で、当日分のFAXをすべて処理しなければなりません。受発注業務には15名が携わっておりましたが、1件に10分かかるようでは到底間に合わず、どうしても経験豊富な担当者に負荷が集中してしまう状況でした。
──そうした課題に対して、どのような対策を講じてこられたのでしょうか?
下山田さま:過去にOCRの導入を試みたことがあります。しかし当時の技術では読み取り精度が低く、修正作業のほうが多くなってしまいました。結果として「人が確認したほうが早い」と判断し、導入を見送りました。
その後も人力での入力業務を続けていましたが、近年AI技術の進化によってAI-OCRの精度が格段に向上したと聞き、改めて導入を検討することにしたのです。
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開発不要のスピード感とコストメリット。すぐに始められるフォロー体制が決め手に
──AI-OCRを再検討する中で、『受発注バスターズ』を知ったきっかけを教えてください。
下山田さま:ある公的機関の方からお電話をいただいたことがきっかけです。その方は以前、別の企業に在籍していた際にお付き合いがあり、当社がFAXでの受注処理に課題を抱えていることをご存じでした。「受注に特化した優れたAI-OCRがあるので、一度ご検討されては?」とご紹介いただいたのです。
──他社のサービスとも比較されたのでしょうか?
下山田さま:ちょうどその時期に、大手IT企業が提供するAI-OCRサービスについても、Webセミナーを通じて情報収集していました。ただ、当社の業務に適用するにはAWSなどを活用した独自カスタマイズが必要で、開発コストや期間がどの程度になるか不安がありました。そうした中で、タイミングよく『受発注バスターズ』をご紹介いただいた形です。
──数あるAI-OCRの中で、『受発注バスターズ』を選ばれた決め手は何だったのでしょうか?
下山田さま:主な理由は2つあります。
まず、『受発注バスターズ』の導入実績に、大手企業があったことです。規模の大きな企業でも商流の一部ではFAXが使われていると知り、当社の業務にも十分応用できると感じました。
次に、発注書式の読み取りフォームを作成する際のフォロー体制が整っていた点です。自社で開発を行う必要がなく、すぐにトライアルを始められるスピード感と、導入しやすいコスト感が魅力でした。さらに、既存のRPAと組み合わせれば、よりスムーズに自動化体制を構築できると判断しました。
──導入前に実施されたデモンストレーションの印象はいかがでしたか?
下山田さま:実際に当社の発注書や検針データを使って試してもらいましたが、読み取りのスピードが非常に速く、社内でも「これはすごい」と好評でした。契約期間が1年単位だったこともあり、「まずは1年間試してみよう」と、FAX業務の効率化に手応えを感じながら導入を決断しました。
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属人化からチームプレーへ。『受発注バスターズ』が可能にした経験値に応じた最適な役割分担
──『受発注バスターズ』を導入して、どのような変化がありましたか?
下山田さま:現在では、FAXで受け付ける受注業務の約50%を『受発注バスターズ』で処理できるようになり、業務フローが大きく改善しました。以前は担当者の経験によって対応できる発注書の範囲が限られていましたが、導入後は『受発注バスターズ』で処理する担当と、複雑な案件を手入力で対応する担当に役割を明確に分担できるようになりました。経験の浅いメンバーはAI-OCRで読み取った内容の確認を、ベテランは難易度の高い発注書や全体フォローを担当するなど、スキルに応じた効率的な体制が構築されています。
──入力工数やミスの削減については、どのような効果がありましたか?
小林さま:手入力にかかっていた時間が大幅に減り、その分ほかの業務に時間を充てられるようになりました。特に効果を感じているのは、ミスの削減です。 『受発注バスターズ』で自動読み取りしたデータを人が最終チェックするダブルチェック体制が構築でき、精度も高いため入力ミスはほぼゼロに近づいています。
下山田さま:人間は、自分で入力した内容を「正しい」と思い込んで見落としてしまうことがあります。その点、システムが読み取ったデータは第三者の視点で冷静に確認できるため、心理的なバイアスを排除できます。こうした人の特性を踏まえても、AIと人の組み合わせは非常に理にかなっていると感じています。
──導入当初と現在で、印象に変化はありましたか?
佐藤さま:初期段階では数字の「1」が正確に読み取れないこともあり、精度に不安を感じた時期もありました。しかし、改善対応を重ねていただいた結果、今では非常に使いやすくなりました。急ぎの業務ほど人的ミスが起こりやすいため、「手で打つよりもシステムに任せたほうが確実」という信頼感が生まれ、現場でも積極的に活用する意識が定着しています。
──現場への浸透はどのように進めていったのでしょうか?
下山田さま:導入後、いきなり全員に展開するのではなく、まずは一部のエリア・メンバーに限定してスモールスタートを行いました。そこで操作や仕組みを理解したメンバーを中心にノウハウを蓄積し、段階的に展開していったんです。その過程では、『受発注バスターズ』の担当者の方と密に連携し、こちらの要望や疑問点を逐次共有しながら、チーム全体の理解を深めていきました。
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持続可能な業務体制の構築へ。AIが実現する「誰でも対応できる」仕組み作り
──導入後のサポート体制はいかがでしたか?
三上さま:導入初期は、複数の担当者から同時に質問や要望を送ってしまい、情報が錯綜して回答まで時間がかかることもありました。ただ、その状況を踏まえて「どのようにすれば円滑にやり取りできるか」を話し合う場を設けていただき、運用ルールを見直しました。現在は情報共有の流れも整理され、問い合わせへの対応もスピーディーです。安心して日々の運用を任せられています。
──『受発注バスターズ』は、どのような企業におすすめできますか?
下山田さま:当社のように販売業を営み、基幹システムへの入力を人手で行っている企業には、特に効果があると思います。商材数が多く、担当者の経験に依存しているような現場では、業務の標準化と効率化を一気に進められるでしょう。
近年は人手不足が深刻化し、特定のベテラン社員に依存する体制はリスクになっています。その方が不在になるだけで業務が滞るケースも珍しくありません。だからこそ、技術の力で業務を仕組み化し、持続可能な体制を整えることが重要です。『受発注バスターズ』は導入のハードルも高くなく、スモールスタートで成果を実感できます。人力に頼り切った業務を変えたい企業には、ぜひ検討していただきたいですね。
写真・文・編集:事例のプロ
リンク先:https://jireinopro.sui-sei.tokyo/
