冷凍冷蔵食品の輸送を手がけるアナボス株式会社では、取引先からFAXで届く帳票への手入力や紙書類の管理業務が長年の課題となっていました。夜間に大量送信される伝票への対応、膨大な紙書類の管理、そして新人が一人前になるまでに半年を要するほど複雑な業務ルール。これらの課題を解決すべく導入したのが、受発注やデータ入力に特化したAI-OCR『受発注バスターズ』です。
導入後は入力作業が以前の約半分に短縮され、取引先ごとの独自カレンダー対応や温度帯コードの自動変換まで実現しています。業務改善を実現したアナボス株式会社業務課長の高橋達也さまと総務担当の松原治美さまに、『受発注バスターズ』導入の背景から具体的な効果まで詳しくお話を伺いました。
<導入前の課題>
- 月1,000枚超の紙書類のデータ入力とファイリング・保管作業が発生し、特定の担当者に業務が集中
- 月初の繁忙期には、スタッフ総出での対応が発生
- 商品の取り扱い方法や荷物の到着日など高いレベルの正確さが求められ、新人は半年程度の習熟期間が必要
<導入後の効果>
- マスター変換機能により取引先ごとの独自ルールをAIが自動処理し、入力業務の属人化が解消
- FAX伝票の読み取り・入力工数が約50%削減され、残業時間の削減に
- 紙書類を電子化してクラウド共有に移行し、ファイリング・保管作業がほぼ不要に
プロフィール
- 高橋達也さま:アナボス株式会社 業務課長
- 松原治美さま:アナボス株式会社 総務
“書類の山”を片付けるために夜遅くまで残業も。繁忙期にはスタッフ総出で対応
──『受発注バスターズ』を導入される前は、受注業務でどのような課題があったのでしょうか?
松原さま:当時は、主に2つの課題を抱えていました。
一つは、紙書類の保管に関する問題です。取引先からの帳票はほぼFAXで届き、実質的には紙での運用となっていました。A4用紙を大量に消費するうえ、毎月のファイリング作業も膨大だったんですよ。まずは1か月分の帳票をメンバー全員が閲覧できるように専用ファイルへ綴じた後、厚紙に挟んでひもを通し、箱に入れ直してから保管場所へ移していました。帳票は毎月かなりの枚数にのぼるため、紙の保管スペースが圧迫され、ファイリングにかかる負担も決して小さくありません。
もう一つの課題は、データ入力にかかる工数です。当社では、月1,000枚超の紙書類のファイリング・保管作業が発生します。例えばある取引先からは、毎日夕方ごろに翌日分の伝票が一気にFAXで届くのですが、時には夜の10時過ぎに大量送信されるケースもありました。翌朝出社して書類の山を見た瞬間は、「さて、どうやって処理しよう」と途方に暮れてしまいましたね。そのため、夜遅くまでデータ入力をすることは珍しくありません。膨大なデータ入力作業が月初の繁忙期と重なった際には、スタッフ全員で対応せざるを得ない状況でした。
──手入力ならではの難しさもあったのではないでしょうか?
松原さま:おっしゃる通りです。当社は冷凍食品の輸送を取り扱っているため、チルドや冷凍といった温度帯の正確な読み取りが非常に重要です。万が一入力を間違えてしまうと、商品に重大な影響を及ぼしかねません。
それに加えて、荷物の到着日も絶対にミスの許されない入力項目です。業務に慣れるにつれて入力スピードは上がりますが、新人が一人前として業務を担当できるようになるまでには半年ほどの期間を要します。それだけ覚えるべきルールが多く、正確性が厳しく求められていました。
基幹システムへの連携と現場での運用イメージを明確に持てたことが導入の決め手に
──受注業務のシステム化を検討するなかで、『受発注バスターズ』を知ったきっかけをお聞かせください。
松原さま:受注業務のシステムを導入している他社の冷蔵倉庫様へ、見学に伺ったことがきっかけです。実際に稼働する様子を見て「操作も簡単で、非常に良いシステムだな」と感じたのが第一印象です。ただ、見学の際にはあくまで「冷蔵倉庫向けのシステム」として説明を受けており、『受発注バスターズ』であることは認識していませんでした。
その後、当社の親会社である港湾冷蔵株式会社から『受発注バスターズ』をご紹介いただき、商談で実際のシステム画面を拝見した際に、「あのとき見学したシステムだ」と点と点がつながりました。
高橋さま:港湾冷蔵は、『受発注バスターズ』と販売提携しているBIPROGY株式会社様からご紹介を受けたようです。港湾冷蔵としても、「信頼しているBIPROGYさんが勧めるのなら試してみようか」という経緯で、当社にも話を持ちかけてくれたようですね。
──『受発注バスターズ』を選んだ最大の決め手は何だったのでしょうか?
高橋さま:導入の決め手は、「現場で実際に運用できる」と具体的にイメージできたことです。見学時には、好感触を得た一方で「果たして自社の基幹システムと合うのだろうか」という懸念もありました。当初は別会社のサービスも検討しており、一度はそちらで進める方向で話がまとまっていたんです。
しかし、港湾冷蔵から「もっと柔軟に対応できるサービスがある」と『受発注バスターズ』を勧められ、心が動きました。最初は「手書き文字の読み取りは難しいのではないか」「この独自ルールには対応できないだろう」と思い込んでいたのですが、ご相談すると「対応できますよ」と前向きな回答をいただくことが多く、大変驚きました。
営業所名を独自のコードへ変換したり、冷凍・冷蔵の温度帯を自動的に「F」や「C」に変換して反映したりと、当社独自の運用ルールに合わせて設定できた点は非常に大きかったですね。
また、単なるAI-OCRにとどまらず、マスター変換まで含めて対応していただける点も印象的でした。ただ文字を読み取るだけでなく、「現場でそのまま使えるデータ」に変換し、基幹システムへ連携できるビジョンが明確に持てたことが、最終的な導入の決め手となりました。
──導入時の操作説明や社内浸透はスムーズでしたか?
松原さま:導入前に実際の画面を見学していたおかげもあり、とてもスムーズに浸透しました。Excelに近いUIであったため、普段からExcelを使い慣れているメンバーにとっては抵抗感が少なかったようです。
実際、導入後に操作に関する質問はほとんど寄せられていない状況です。メンバーには、導入時に「このボタンを押せば読み取りが完了し、ここを押せば自動で入力される」とシンプルに伝えただけなんですよ。それでも、全員がすぐに仕組みを理解してくれましたね。
作業時間が以前の半分に。社内の独自カレンダーにも対応
──『受発注バスターズ』の導入後、日々の業務はどのように変化しましたか?
松原さま:まずは、紙の保管作業を大幅に削減できました。導入後は依頼書をスキャンして電子データ化し、共有フォルダへ保存する運用に変更しています。直近の1か月分だけは紙でファイリングしていますが、それ以降のデータは共有フォルダを確認してもらえば済むようになりました。1か月経過した書類を廃棄するだけでよくなったため、管理面の負担もかなり軽減されています。
また、営業所コードを自ら調べたり、手作業で打ち換えたりする手間がなくなった点も非常に大きいです。帳票を読み取るとシステムがマスターを参照し、自動でコードを出力してくれるため、番号を暗記していなくてもスムーズに処理を行えます。
高橋さま:『受発注バスターズ』の導入後は、データ入力にかかる時間自体が体感で以前の50%程度まで短縮されました。これまでは帳票を見ながら一件ずつ手作業で打ち込んでいましたが、現在は読み取ったデータを確認し、CSV形式で基幹システムに流し込むだけで作業が完了します。
特にうれしかったのは、商品名の入力作業から解放されたことです。取扱商品名が10文字以上で長く複雑なものも多く、毎回すべてを入力するのはかなりの労力を要していましたからね。
──AI-OCRの読み取り精度はいかがですか?
松原さま:ほとんど問題なく機能しております。非常に精度が高く、手入力していた頃と比較して入力ミスが明らかに減少しました。着日と温度帯のコードについては最終確認を徹底していますが、それ以外の項目は安心してシステムに任せられる状況です。
特に当社の場合、土曜日を営業日として扱い、日曜日だけを飛ばして着日を「プラス1日」「プラス2日」と計算するような特殊なカレンダー調整が存在します。しかし、そうした独自のルールも年間スケジュールを読み込ませるだけで、システム側でしっかり考慮してくれるんですよ。当社のカレンダーに合った日付が自動算出されたときは、率直に「すごい」と感心しました。
また、万が一読み取れなかった場合でも、赤色でエラー表示されるため視覚的にわかりやすくなっています。画面の右側にプレビューが表示され、どの資料のどの箇所が読み取れなかったのかをすぐに特定できる機能も便利ですね。
細やかな要望に対応する手厚いサポートにより、導入後のスムーズな運用が実現
──『受発注バスターズ』のサポート体制について、どのように評価されていますか?
松原さま:サポート体制に関しては、かなり手厚いと感じております。
特に印象的だったのは、レスポンスの速さと対応の柔軟性ですね。導入後も、当社から相談するとすぐに的確なご返答をいただけましたし、「それは対応できません」と断られるようなケースがほとんどありませんでした。
また、単純にシステムを引き渡されて終わりではなく、マスター設定や変換ルールの調整まで、しっかりと伴走していただけた点も非常に大きかったです。当社側の細かな要望を汲み取りながら設定していただけたため、現場で実際に運用できる状態までスムーズに持っていくことができました。
──どのような課題を抱えている企業に『受発注バスターズ』をおすすめしたいですか?
松原さま:日々、手入力の業務に苦しんでおられるすべての企業様におすすめしたいですね。当社のように、運送会社で定期配送のフローが存在し、独自の基幹システムを利用している環境下でも問題なく導入できました。
『受発注バスターズ』は「現場の複雑なルールをいかにシステムへ落とし込むか」という難題にも、非常に対応しやすいサービスです。「今の自社の基幹システムとは連携できないのではないか」と諶めかけている企業様も、ぜひ一度詳しい説明を受けてみてほしいと思います。
文・編集:事例のプロ
